上司やクライアントにノーが言えなくて
もともとホテルマンになりたいと思っていた私は、普通の学生よりも多くの接客スキルやコミュニケーションスキルを学んできたつもりです。
しかし、その認識は自身の過大評価だったようです。
私が学んでいたのは、相手を不快な気持ちにさせないスキルであり、コミュニケーションスキルの一部に過ぎないものでした。
相手を不快な気持ちにさせないスキルの究極系はイエスマンです。
私は、職場の上司や、クライアントには基本的にノーは言わないスタンスでこれまで仕事をしてきました。
結果的に、引き受けられない量の仕事を引き受けてしまい、辛い思いをしてしまう結果となりました。
例えば、クライアントの無理な要望にイエスと答え、上司には「なぜそんなものを引き受けたんだ」と叱られてしまう事もありました。
最後には心が折れてしまいました。
基本的にはノーと言わないスタンスは素晴らしいものだと思います。
ただ、そのスタンスを続けた事で、結果的に心が壊れて仕事ができなくなってしまうと、本当の意味でクライアントと上司に対して迷惑がかかってしまいます。
先日、仕事が出来ない状態になって、やっとその事に気がつきました。
最近読んだ本に書いてたのですが、コミュニケーションには「アサーティブネス」という考え方があって、平等性や対等性を意識して会話をすることで、しっかりとノーを伝えられるようになると書いてありました。
本の内容を要約すると
1. 自分の心にちゃんと向き合って
2. 相手に対して本当の思いを伝える
3. 相手の立場も考えて、お互いが納得できる落とし所を探す
4. 決着がついたら、その結果に責任を持つ
といった流れでコミュニケーションをとる事が重要だと書いてありました。
私は今まで、相手から言われた事を鵜呑みにしていただけで、まったくコミュニケーション(会話・交渉)をとっていなかったんだなと自覚し強いショックを受けました。
ただ、他人の気持ちを大事にすることはとても素晴らしいことだと思います。
しかし、他人の気持ちを尊重するあまり、自分の心をないがしろにするのは結果的に心身のリスクを伴います。
お互いが納得いく話にするために、まずは肩の力を抜いて、誠意を持って自分の考えを伝えてみようと思います。
本当のコミュニケーションはそこからです。